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令和2年第3回定例会

新しい生活様式の定着へ!

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〈質問通告〉

新しい生活様式の定着へ!

  1. 新しい生活様式の定着とは直接は感染拡大防止にあるが、今回のコロナ危機を変革への契機と捉え区政や社会の構造改革まで含めたものとして捉え進めてはどうか。そこで、改めて新しい生活様式の定着とは何か、その意味するところについて基本的な考え方を問う。

  2. また、そのことを具体的に検討・推進する庁内横断的なチームが必要だがどう体制を組むのか。

  3. この新しい生活様式の定着は行政だけではできない。区民の協力もいただき一丸となって取り組まなくてはできない。そこで、定着への指針を策定してはどうか。また、わかりやすい実行計画の策定も合わせて提案する。ウィズコロナ時代の道標である。所見は。

 

GIGAスクール構想の実現へ!

  1. GIGA スクール構想の意義と目的は何か。

  2. 「子どもの特性に適した学び」にオンライン学習が有効だが具体的にどう行っていくのか。適応指導教室「白鳥教室」での学習や不登校児童生徒の自宅での学習に合理的配慮がなされたオンライン学習が重要である。それぞれどう行っていくのか。またそのようなオンライン学習ができれば授業として認めてはどうか。

 

〈質問と答弁の全文〉

 令和2年第3回定例会において公明党議員団の一員として一般質問を行います。
 質問は2点であります。一点は、この度のコロナ危機によりその必要性が一気に浮き彫りとなった必要な構造改革を新しい生活様式として区民の皆様と一緒にどうすれば定着していくことができるのかを問います。あと一点はGIGAスクール構想ですが、本年第1回定例会にて私たち会派の代表質問として米田議員が質問していることに尽きているわけですが、私からは改めてその意義と目的を確認し、すべての子ども一人ひとりの特性に適した学習をどう行っていくのかを問うものです。

 最初に、新しい生活様式の定着についてであります。
 新しい生活様式とは、直接には感染拡大防止のための三つの基本である

  1. 身体的距離の確保

  2. マスクの着用

  3. 手洗いの実施や3蜜を避ける

 等を取り入れた日常のことをいいます。
 そこから「ステイホーム」という言葉も生まれました。「テレワーク」や「リモート会議」という言葉ももう当たり前となりました。教育の分野でいうと「オンライン学習」もそうでしょう。
 この新しい生活様式は新しい働き方を生み、新しい教育も生み、新しいエネルギーの使い方も新しい福祉も新しいまちづくりも生んだといえるのではないでしょうか。デジタル化もそうです。つまり、今回のコロナ危機は、社会のあらゆる分野で構造改革の必要性を一気に浮き彫りにしたといえます。
 その代表的なものとしては3点あるかと思います。一つはデジタル化であります。以前から日本はデジタル化の遅れが指摘されていましたが、まさにその遅れが一気に表面化しました。行政のデジタル化や教育のICT化であります。(スクリーン1を表示) 

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​スクリーン1 

 二点目は新しい働き方、いわゆる働き方改革が一気に進んだことがあります。そしてそのことは同時に温暖化対策をこの機に一段と進めるきっかけを作ったのです。左はテレワークの導入率です。テレワークを実施した社員の割合は5割を超え、勤務日数でみると6割にも達しています。(現物を提示)右の表はその影響といっていいでしょう世界全体のCO2排出量の大幅な減少です。今年の排出量が過去最大規模の前年比8%減となると予測されていることです。パリ協定に定める気温上昇を1.5°C以内とする目標の実現には今後10年間で毎年7.6%の温室効果ガスの排出削減が必要とされています。区としてもこれを契機に働き方改革の継続とともに、気候非常事態宣言を行い2050年にCO2排出実質ゼロを目指し、大胆かつ着実に温暖化対策を進めるべきではないでしょうか。(スクリーン1を閉じる)

 3点目は構造改革とは異なりますが、人と人のつながりの大切が認識されたことをあげたいと思います。地域やボランティア団体が今までのように活動できない中、出張所の職員や保健所の保健師の方々が高齢者宅を訪問して声掛けをしてくださっていること大事なことであります。区民の方からも大変感謝されています。新しい生活様式の定着を図る中でどう人と人のつながりを維持し、支えあいや連帯をどうつくっていくのかは課題といえます。
 必要性が浮き彫りになった例として3点述べさせていただきました。
 今回のコロナ危機を契機とし構造改革については元の日常に戻るのではなく新しい生活様式の定着を図り進めることが求められています。
 そこで、改めて新しい生活様式の定着の意味するところとは何かお伺いします。また浮き彫りとなりました構造改革を進めることについてご所見をお伺いします。特に、述べました気候非常事態を宣言し温暖化対策を進めることについては、議会としても全会一致で決議しとことでもあり、区としてどう考えているのかご所見をお伺いしたいと思います。
 次に、新しい生活様式の定着について検討し推進するための庁内組織及び行動指針についてであります。
 区は、7月22日に令和3年度の予算編成方針を公表しました。「あらゆる面で社会のあり方が変わる時代の大きな転換点にあること強く認識し、新しい生活様式を社会全体で定着させていく必要性を念頭に置いた上で、行政サービスを提供していくことが求められます」と。「社会のあり方が変わる」とは構造改革の推進を意味していると思います。まさに今がその時であり社会全体でこの新しい生活様式の定着を図っていきますと。大切なことが示されました。
 構造改革については、区政に関係するものとしては行政のデジタル化や教育のICT化など、社会全体にかかわるものとしては温暖化対策や働き方改革などと大別することができるできます。具体的に検討し推進するためには外部の有識者の方にも協力をいただく必要があるかもしれません。いずれにしても庁内横断的な組織が必要と考えます。
 また、新しい生活様式の定着または構造改革の推進は行政だけではできません。区民の皆様の協力がどうしても必要です。行政と区民が、今こそ、思いを共有して前に進むべき時だからであります。
 そこで、新しい生活様式の定着について検討・推進するための庁内組織が必要と考えますが、ご所見をお伺いします。また、行政と区民が思いを共有し共に行動するための行動指針を策定すること、そしてわかりやすい実行プランを策定することを提案いたします。ウイズコロナ時代の道標であります。合わせてご所見をお伺いします。

 次に、GIGAスクール構想についてであります。
 調布市立多摩川小学校の庄子寛之先生が述べられた言葉が新聞に紹介されました。「今の子どもたちを「かわいそうなコロナ時代の子」にしたくない。あの時代だからこそ、すごい才能が生まれたねといわれたい」と。その通りであります。教育に関わる人のみならず区民全員の思いでもあるでしょう。
 最初に、GIGAスクール構想の意義と目的についてであります。(スクリーン2を表示)

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​スクリーン2

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​スクリーン3

 スクリーンは計4枚お示しますがいずれも文科省のホームページからです。まず同構想の目的です。「1人1台端末と高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備することで、特別な支援を必要とする子供を含め、多様な子供たちを誰一人取り残すことなく、公正に個別適正化され、資質、能力が一層確実に育成できる教育ICT環境を実現する」とされています。「個別最適化」とはIT用語で難しい表現です。(文としても「個別最適化」がどちらにかかるのかがわかりません。私なりに)少し言い換えると「ICT環境を整えて『一人ひとりの子どもの特性に適した学び』をすべての子どもに保証していくこと。すなわち一人も取り残さない教育の実現」となると思います。(スクリーン2を閉じて3を表示)
 そして、この構想の実現にはハード、ソフト、指導体制の三位一体で進めることとされたのです。ハードとは書かれている通りであります。ソフトとは、少し補足すると、デジタル教科書やAIドリルの活用とありますが、すべての子どもが活用できるよう個人個人の習熟度に合わせることを始め、例えば発達障害や学習障害などの子どもには特別な配慮を行うこと、またITに関しての家庭環境の違いまでを考慮した丁寧なサポートまでを含めたのソフトであります。そして指導体制とは外部人材を活用したICT支援員など日常的にICTを活用できるための体制とされていますが、勿論、そこには児童生徒と先生や指導員との間に信頼関係が必要なことはいうまでもありません。信頼の指導体制であります。(スクリーン3を閉じる)
 GIGAスクール構想の意義と目的そしてその推進体制について述べさせていただきました。
 GIGAスクール構想の実現へその着実な推進を図り、「あの時代だからこそ、すごい才能が生まれたね」といわれる千代田区の教育行政を是非ともお願いしたいと思います。
 そこで、改めてGIGAスクール構想の意義と目的とは何かお伺いします。また、推進するためのハード、ソフト、信頼の指導体制についてどう進めていくのかお伺いします。
 次に、子どもの特性に適した学びについてであります。(スクリーン4を表示)

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​スクリーン4

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​スクリーン5

 1人1台端末のICT環境を整えることにより

  1. 教師は子どもたち一人ひとりの反応を確認しながら双方向での一斉授業が可能となる

  2. 一人ひとりの学習状況に応じた個別学習も可能となる

  3. 各自の考えを即時に共有し、多様な意見にも即時に触れられる

などが効果として期待されています。(スクリーン4を閉じる)
 その他、教室ではなかなか手を挙げて発言できなかった子どもも意見を述べやすくなることも効果としてあげられるでしょう。問題はこれらの効果をどうすれば児童生徒一人ひとりの「特性」に適した学びとして行うことができるかであります。特別な配慮を必要とする子どももいます。個別最適化した端末を1人1台渡せば済むというものではありません。ICTを活用した学習です。なお一層の、特性に合わせた配慮と先生や指導員の方との信頼関係をもって適した学びを行うことであります。
 そこで、先ほどの推進体制の質問と重なるところもありますが、ICTを活用し、子どもの特性に適した学びを区として具体的にどう行っていくのかお伺いします。
 次に、不登校児童生徒に対するICTを活用した学習についてであります。
 この件については、本年第1回定例会にて、適応指導教室「白鳥教室」の役割と機能を確認し、ハード・ソフト合わせた拡充が必要なことを、また不登校児童生徒については一人ひとりの状況を丁寧に把握し一人ひとりに即した支援と教育が必要と質問しました。その際の「一人ひとりに即した支援と教育」と今回のGIGAスクール構想でいう「一人ひとりの特性に適した学び」は同じ意味であると思いますが、今回はその「支援と教育」がより具体的に自宅におけるICTを活用した学習となったことと理解しています。不登校となった理由は一人ひとり様々な理由があり複雑であります。今まで述べました通り、ハード、ソフト、そして信頼の指導体制をもって一人ひとりの状況や特性の把握を一層丁寧に行い、自宅におけるオンライン学習につなげることであります。
 そこで、適応指導教室「白鳥教室」において、ICTを使った一人ひとりの特性に適した学びをどのように行うのか。(スクリーン5を表示)また、不登校児童生徒の自宅でのオンライン学習をどのように行っていくのかお伺いします。そして、不登校児童生徒の自宅でのオンライン学習ですが、スクリーンにあるような一定の基準を満たした学習ができた場合、在籍校の校長の判断により正規の授業として認め出席扱いとすることができるようにしてはどうでしょうか。そのことが児童生徒にとって自信となりまた信頼の証ともなると思います。学校に戻れるきっかけにもなるのではないでしょうか。ご所見をお伺いします。(スクリーン5を閉じる)

 質問は以上です。
 前向きな答弁を期待し一般質問を終わります
 ありがとうございました。

〈教育担当部長答弁〉

 大串議員のGIGAスクール構想についてのご質問にお答えいたします。

 GIGAスクール構想の意義及び目的についてですが、まさに議員のご質問にあるとおりです。
 文部科学省は、1人1台端末と高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備することで、特別な支援を要する子どもを含め、多様な子どもたちを誰一人取り残すことなく、公正に個別最適化され、資質・能力が一層確実に育成できる教育ICT環境の実現を目指し、令和元年よりGIGAスクール構想を推進しております。そして、これまでの我が国の教育実践と、最先端のICTのベストミックスを図ることにより、児童・生徒の力を最大限に引き出すことが、意義及び目的となっております。千代田区の子どもたちにもこうした環境を整え、未来を生きる力をつけていくことが、これからの千代田区の教育にとって大変重要であると考えております。また、推進するためのハード、ソフトにつきましては、年内に1人1台環境を整え、現在の学校環境で活用しているソフトに加え、一斉学習、個別学習、協働学習で、より深い学びとなるツールの導入を予定しております。
 指導体制につきましては、現在のオンライン環境を活用し、学習支援用ICT機器の効果的な活用方法の研修や研究を行うとともに、実践事例を作成し、ICT機器の利活用を推進してまいります。
 次に、「子どもの特性に適した学び」へのICTの具体的な活用についてですが、議員ご指摘のとおり、GIGAスクール構想は、単に1人1台端末環境を整えることだけではなく、子どもたちが、「自分たちが学びたいこと」を、主体的かつ問題解決的に進めるためのものであると捉えております。具体的には、子どもたちにとっては、自分の学びを発信し、協働しながら、お互いを尊重するようになるためのツールとして、また、教師にとっては授業をより魅力的にするためのツールとして活用してまいります。また、特別支援教育においては、気持ちを伝えることが苦手な児童・生徒が、キーボード入力やスタンプで意思のやり取りをしたり、文字や音が多く、集中できない児童・生徒が映像や文字、音声などから必要な情報のみを視聴できるよう選択したりするなど、個に応じた様々な活用を検討しているところです。
 最後に、適応指導教室「白鳥教室」でのICTの活用及び不登校児童・生徒の自宅でのオンライン学習についてと、正規授業として認めてはどうかについてです。オンライン学習について、本区では、コロナ禍における学びの保障と、子どもと学校とのつながりを重視し、5月下旬までに、全区立学校で、オンライン学習の環境を迅速に整えました。このことにより、当初の狙い以上の有効性も明らかになってまいりました。不登校支援もその一つであると捉えております。本区の適応指導教室である「白鳥教室」におきましても、希望に応じて、在籍する学級とオンラインでつなぎ遠隔で授業を受けられるようにする等の活用をしております。また、ワークシートや授業内容のレジュメ、授業動画などをグループウェアやホームページに掲載し、不登校の児童・生徒も家庭で学習が進められるよう取り組んでおります。さらに、朝の会や授業をオンラインでつないだり、放課後等の時間で個別にビデオ通話でコミュニケーションを図ったりすることで、学校とのつながりを持つためのツールとしても活用しております。

 また、オンライン学習を、授業を受けたこととして認める扱いにつきまして、文部科学省は一定の不登校児童・生徒の自立を助ける支援として有効であると判断する場合に、指導要録上の出席扱いとすること及びその成果を評価に反映することができると定めております。これまで、この特例を適用するようなケースはありませんでしたが、今後は、国や都の情勢を参考にしつつ、出席の取扱いについて検討してまいります。

〈行政管理担当部長答弁〉

 

 大串議員の新しい生活様式の定着に関するご質問について、お答えいたします。
 まず、区として考える新しい生活様式の定着の意味するところでございますが、まだ現時点で新型コロナウイルス感染症が収束を見ない状況におきましては、感染予防・感染拡大防止を引き続き第一として、直接人が接する機会を可能な限り減らしつつも、区民の暮らしや業務活動、そして地域コミュニティを持続させるために、区民の皆様一人一人が感染対策のための新たな行動様式を実践していただくことであると考えてございます。そして、コロナ危機により、区政や社会全体において構造改革の必要性が浮き彫りとなったことにつきましては、議員ご指摘のとおりと考えてございます。その1つとして、人の移動や集まることが大きく減ることでCO2 排出量も減るなど、社会が新たな姿に向かっている状況は、区としても十分に認識してございますので、今後の地球温暖化対策やCO2削減目標等につきましては、鋭意検討を進めておるところでございます。
 また、このコロナ禍にあって、これまで技術やシステムが備わっていても十分に活用できなかった我が国のデジタル化につきましても、オンライン会議やリモートワーク、データ申請やキャッシュレスなどを活用する状況が、民間を中心に急速に広がっております。そのため、区の業務の中でも、例えば書類の受渡しや現金のやり取り、会議・会合の開催など、デジタル技術により代替が可能な事務などを大きく見直すことが、区政における新しい生活様式の定着そのものと考えます。したがいまして、区の業務を全般的に見直すという視点をもって、行政のデジタル化に取り組む必要があると認識してございます。
 次に、新しい生活様式の定着について検討・推進するための庁内組織についてでございます。
 現在、感染症対策や危機管理の側面から、「千代田区新型コロナウイルス感染症対策本部」を継続して設置しており、対策全般について全庁的に取り組んでいるところでございます。一方で、現体制は危機管理を主としていることから、新しい生活様式の定着に向けて、区政の構造改革を進める体制としては、不十分なところもございます。今後、本部体制の強化や組織の新設など、どのような体制が最適であるか、全庁的に検討をしてまいります。また、ウィズコロナ時代の道しるべとなる行動指針と実行プランの策定についてでございますが、新しい生活様式を定着させるためには、広く区民の皆様のご理解とご協力を頂く必要がございます。この点につきましては、議員のご提案のとおりと考えてございますので、現時点でどのような行動指針や実行プランが望ましいかなどの具体的なイメージが共有されている段階ではございませんが、今後、庁内体制の在り方と併せて、外部の視点も取り入れながら、全庁的に検討をしてまいります。


〈再質問〉

 

  20番大串ひろやす、1点だけ再質問させていただきます。
 前向きな答弁を頂きまして、ありがとうございました。1点だけですけれども、不登校児童・生徒の出席扱いです。スクリーンに示したように、一定の基準があること。その基準に合うようなオンライン学習ができた場合に、(ベルの音あり)出席扱いとしましょうということですけれども、前向きな答弁を頂いたと思っておりますけど、大事なことは、在籍校の校長先生の判断でできるようにしてもらいたいということが1点あります。教育委員会としては、全ての校長先生にそういうことができるということを徹底していただいて、ぜひ、校長先生の判断でできるようにしてもらいたいと思います。この点だけ、再度答弁をお願いします。

〈教育担当部長答弁〉

 大串議員の再質問にお答えいたします。
 不登校児童・生徒の出席扱いにつきましては、文科省でも認めているところでございますので、これから校長会等で事例等も紹介し、先生方のご意見も頂きながら、教育委員会としてこういうことができるということで、校長先生方に周知していきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 

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