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平成26年第3回定例会

子どもの読書活動推進について

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映画「じんじん」のポスターを掲げて!

〈質問通告〉

子どもの読書活動推進について

  • 7年目を迎えた読書振興センターの果たしてきた役割と成果は大きい。そのことを踏まえ、今後のさらなる子どもの読書活動推進のための取り組みは。

  • 絵本の読み聞かせには、携わる人材の育成とボランティア活動の支援が必要である。そのための具体策は。

道路整備のあり方について

  • 道路のあり方、役割をどう認識し、整備を行っていくのか、区長に基本的な考え方を問う。

  • 幹線道路を除く区画道路について、コミュニティ道路化又はコミュニティゾーン化を検討してはどうか。そのためのコミュニティ道路整備計画を策定し推進していくことを提案する。ご所見は。

 

 

〈質問と答弁の全文〉

 平成26年第三回定例会にあたり公明党議員団を代表して質問を行います。

 質問の項目は、「子どもの読書活動推進のまち、千代田を目指して!」と「魅力ある道路づくり、道づくりに向けて」の2点であります。

 最初に子どもの読書活動推進についてであります。
 先日、絵本の読み聞かせをテーマとした映画「じんじん」の試写会を見る機会がありました。すばらしい映画で大変感動いたしました。昨年の一般公開を前にして新聞にその映画の紹介記事が掲載されましたので一部をご紹介します。
 「映画製作のきっかけは俳優の大地康雄さんと、四半世紀前から絵本によるまちづくりを進めてきた小さな町、北海道剣淵町とのひょんな出会い。絵本の魅力を発信し続ける町の歩みと取り組みを紹介する」、大地さんは、絵本の魅力に驚かれたそうですねとのインタビューに「読み聞かせが始まると、子どもたちは吸い寄せられるように絵本ににじりよっていくじゃないですか。大笑いしたと思ったら、今度は涙を浮かべて、じっと見入っている。びっくりしました」と。また、絵本の魅力はどこにありますかとの質問には「子どもは勿論ですが、親にとっても読み聞かせをした時間というのは、永遠の宝物ではないでしょうか。先行試写会では小学生から大人までみな同じ場面で涙ぐんでいる。純粋なモノを思い出させてくれるのは、やはり絵本の力だと思います。(中略)子育てで悩んでいるお母さん、人とうまく付き合っていけない人、目先のことに振り回されている人に見て欲しい。一番大切なことをこの映画を見て思い出してもらえればうれしいですね」と。(平成25年3月31日の読売新聞より)
 試写会終了後、企画してくださった方と名刺交換すると、「今度千代田区で上映しますよ」と。私はびっくりしました。この映画をたくさんの人に見てもらいたいと思っていたからです。千代田区での上映会は11月15日(土曜日)13時から共立講堂で行われるとのことです。一人でも多くの方に見ていただけるチャンスがあり本当に嬉しく思っています。(ポスターを示して)これがポスターです。

 さて、千代田区における子どもの読書活動推進についてであります。
 区において最初の「子ども読書活動推進計画」が策定されたのが平成18年、翌年の平成19年に新庁舎となり、千代田図書館は指定管理者となります。その翌年の4月には読書振興センターが千代田図書館内に設置され、センターを中心とした子どもの読書活動推進がスタートします。今年はその6年目にあたります。図書館と読書振興センターの子どもの読書活動推進に関する主な事業を改めてご紹介させていただきます。

  1. 千代田保健所で毎月行われている3、4か月検診の際実施されているブックスタート、そしてそのブックスタートをフォローするため児童館で実施しているフォローアップ事業、さらに絵本などを使ってのおはなし会。図書館でおはなし会があるときは10階の子ども室は50人以上の親子で満員になるそうです。

  2. 学校図書室への司書派遣、小学校も中学校も現在週三日(一回6時間)まで拡充されています。

  3. 学校図書室の蔵書構築と整備

  4. 学校図書室の蔵書管理システムの導入と活用

  5. 図書館の利活用の方法を教える図書館オリエンテーション

  6. 子どもの読書活動を支援する司書の方による読書コンシェルジュの配置

  7. 新聞やテレビそしてインターネットなどのメディアを正しく読み解く力を養うメディアリテラシー教育

などであります。
 この他にもあるかもしれませんが、これだけのメニューを揃えて実施しているのはおそらく他にはないのではないでしょうか。千代田図書館には多くの視察の方が来られますが、皆 さん一様に驚かれることがあるそうです。それは、学校図書室への司書派遣です。地域を担当する司書の方がいて、その地域内の小学校、中学校の図書館を始め、児童館そして保育園や幼稚園にも行きます。司書の方は、子どもが乳幼児の時から小学生また中学生育つ過程を絵本の読み聞かせや読書を通しながら見守ることができていることがすばらしいと。この学校支援の司書の方は現在10名いらっしゃるそうです。
 千代田区共育マスタープランでは、すべての子どもの「人間としての尊厳」を保障し、「健やかに育つ権利」の実現を目標としています。この点、絵本の読み聞かせを始めとする子どもの読書活動は子どもの健やかな育ちに大いに貢献していることは間違いありません。
 区のリーダーシップのもと図書館と読書振興センターの子どもの読書活動の推進にこれからも大いに期待するものです。
 そこで、図書館と読書振興センターのこれまでの成果を踏まえた上で、今後区として、どのように子どもの読書活動推進に取り組まれていくのか、お伺いします。

 次に、人材の育成とボランティア活動への支援についてであります。
 「子どもの読書活動推進のまち、千代田」の実現には、図書館と読書振興センターを中心に、剣淵町のように区をあげて子どもの読書活動の推進に取り組みまた応援がなされていることが重要であります。
 千代田区には本のまち神田があります。古書店関係や出版関係が集積し、また大学や私立学校なども多く存在しています。さらに地域においてはボランティアで絵本の読み聞かせを行っている方々、またそういう活動に参加したいという方々も多く、人材の層の厚さも特徴となっています。これらは子どもの読書活動を推進していくに際して最大の財産であり、大いなる可能性といってもよいと思います。区は、図書館と読書振興センターと連携し、区として持っている可能性を開いていけるよう施策を展開していくことが重要です。特に、絵本の読み聞かせや読書活動の推進に参加したいという団体やサークルまた個人は誰でも参加できるようにするための取り組みが必要となります。例えば、人材の育成とボランティア活動への支援であります。このことについは第二次の読書活動推進計画に「人材の育成と活動支援」として項目が立てられています。そこには「子どもの読書活動の推進には、施設の整備だけでなく、本と子どもを結びつける『人』の育成と配置が重要です。そのため、家庭の保護者、ボランティア、教員や子どもに関わる施設の職員など、様々な立場で子どもの読書活動に関わる方々に対し、学びの場の提供や活動を支援していきます」と説明されています。
 さらにその具体策として、①ビブリオバトル「書評合戦」を初めとするセミナーや講演会の開催、②子どもの年齢に合わせた絵本の選び方を学ぶ「絵本講座」や「読み聞かせ講座」の開催、③ボランティアサークルやボランティア団体にはその活動の機会の提供などがあげられています。いずれも大切な事業であります。
 私は、この人材の育成について提案があります。司書資格まではないが、私も読み聞かせに参加したい、読書活動の推進に参加したいという方が、図書館やセンターの行うセミナーや講演、講座に参加し一定の知識や方法を習得した際、仮称ですが「読み聞かせコンシェルジュ」としてその方を認定してはどうでしょうか。また、俳優の大地さんがいうように「永遠の宝物」である絵本の読み聞かせでありますので、本と宝物をデザインした素敵なカンバッチを作ってはどうでしょうか。読み聞かせの時や日常でもよいと思います、つけてもらうことができます。私は「絵本の読み聞かせを応援しています」また「絵本を通しての子どもの育ちを応援しています」とのメッセージにもなります。
 絵本の読み聞かせを通して、親子の絆を育み、地域の絆をより強く、より厚くできることにつながることは大変すばらしいことであります。それが幾重にも広がっていくことができれば、「区を挙げて子どもの読書活動を応援しています」となり、「子どもの読書活動推進のまち、千代田」の実現につながると思います。映画「じんじん」はその大切さとそのことができることを私たちに教えてくれています。
 そこで、子どもの読書活動推進について大事な人材の育成とボランティア活動の支援をどのように行っていくのか改めてお伺いします。また、仮称「読み聞かせコンシェルジュ」の認定についてご所見をお伺いします。合わせてご答弁ください。

 次に、魅力ある道路づくり、道づくりについてであります。
 区の道路公園課の職員の方々には道路や公園に関係する様々な相談にすばやく対応していただいています。区民の方はこのような対応に本当に喜んでいます。最初に感謝申し上げます。

 さて、道路(道)について、建築家の黒川紀章氏は「都市革命」という本の中で以下のように述べています。
 「歴史的にみても、日本の都市で西欧のような広場を発見することはできない。京都にも奈良にも広場はない。お寺には広い境内があるが、それは公共の広場ではない。その代わり日本には〈路地〉があった。(中略)路地は独特な「中間領域」でプライベートとパブリックをつなぐユニークな共有空間として機能していて、それがコミュニケーションの場となっていた。(中略)江戸時代の路地を挟んだコミュニティ、いわゆる「向こう三軒両隣」には多様な人たちが住んでいて、それが独特な日本の都市文化をつくりだしていたのである。それを前提に考えると細胞の集合体としての都市では〈路地〉が中心となるだろう。日本の、〈路地〉の復活が、未来都市の鍵となる。車の通る道路ではなく、人間の歩く道路、路地を中心としたまちづくりがいかに重要であるかを『都市デザイン』で論じた。当時、たまたま都市学者ジェーン・ジェイコブスの『アメリカ大都市の死と生』という本を読んだ。それは路地のコミュニティ文化を重視しないとアメリカの大都市は死んでいくと警告を発するものだった。まさに私と同じ考えを持つ仲間だと思って私はすぐに手紙を出した」と。
 江戸のまちは、環境面で世界のトップにあったことは誰もが知るところですが、道がコミュニティ形成の場でありまたその役割を果たせるよう作られていたとの黒川氏の指摘は大変興味深いものです。武蔵野美術大学特別講師の岡本哲志(さとし)氏も「徳川家康は、道が広いと賑わいができないと江戸の城下町を建設する時に配下の者に指示した」と、「江戸東京の路地」の中で黒川氏同様のことを述べています。黒川氏は、今日、その歴史を踏まえた道路づくりによるまちづくりが大事であるとします。私もこの考え方に同感であります。
 道のおりなすコミュニティ文化の再生という視点から道路整備を改めて見直してはどうでしょうか。
 国ではすでにその方向からの道路整備の見直しに着手しています。国土交通省道路局が作成した「人間重視の道路創造研究会報告書の概要」(平成21年6月)には、「道路法制見直しの考え方」が以下のように示されています。「道路を自動車を中心とした交通目的としてだけでなく、歩行者等の安心・安全な通行、オープンカフェなど地域交流の場、地域住民の生活環境など保全・増進、電線類のない良好な景観等の実現に資する多様な機能を持つ公共空間として捉え直し、制度の基本的なあり方に反映」と。さらに、国の社会資本整備審議会からの「地区交通のあり方」でも、「歩行者優先の地区交通の必要性として、自動車交通処理を優先した道路交通から歩行者優先の道路整備に重点をおいた方向へ転換すべき」としています。
 道路のあり方も変わり、道路整備のあり方も確実に変わってきていきます。

 さて、区の道路整備についてであります。
 道路整備について、今年度の予算の概要には、①自転車道の整備の他、②電線共同溝整備工事、③歩道の拡幅整備、④交通安全地域整備(ゾーン30)などの整備があげられています。(予算の概要からの地図を提示)(区画道路とは幹線道路について説明)
 整備にあたっての考え方、方針が大事ですが、都市計画マスタープランには、「道路・交通体系整備の方針図」が示されその中で区画道路の整備方針が示されています。「歩行者の利用も多いため、通過交通の抑制と歩車共存型道路の形成に努め、地域のコミュニティ空間として機能するように整備します」と。道路を「地域のコミュニティ空間」として捉えるとは、黒川氏やジェイコブスがいうところの「道の持つコミュニティ文化」の再生と同じ意味であります。16年前にすでに区画道路について明確にこのような整備方針を示されたことに改めて敬意を表します。
 道路整備は地域住民の同意と参加を得ながら進めていくことも大切です。自転車道の整備も、電線の地中化も、歩道の拡幅についてもしかりであります。住民の同意と参加ということでは、区として道路の役割をどう捉え、どうあるべきなのかというビジョンを広く区民に示すことが重要であります。例えば、「道の持つコミュニティ文化」の再生または道は「地域のコミュニティ空間」という視点から道路の将来像を描いた仮称「道のビジョン」を策定してはどうでしょうか。
 そこで、区長に、道路のあり方、役割をどう認識し、どのようなビジョンを持って道路整備を行っていくのか、改めてお伺いします。

 次に、コミュニティ道路またコミュニティゾーンの整備推進についてであります。
コミュニティゾーンとは、幹線道路等で囲まれた地区等において「通過交通の排除」「走行速度抑制」「交通弱者への配慮」の視点で面的な交通安全対策を行い、生活道路を歩行者にとって安心かつ快適に利用できる空間とする整備をいいます。また、コミュニティ道路とは、車の走行速度を抑制させる道路構造を採用し、安心かつ快適な歩行空間の形成を図った道路をいいます。どちらも冠にコミュニティとつくように安心・快適の先に賑わいの再生とコミュニティの形成を目的にしていることはいうまでもありません。
 よって、先ほど「道のビジョン」と申し上げましたが、仮にこのようなビジョンを掲げその実現を目指すならば、コミュニティ道路及びコミュニティゾーンの整備を総合的かつ計画的に推進していくことがまずは必要になってくると考えます。
 千代田区におけるコミュニティ道路の第一号は有楽町の宝塚劇場とシャンテの間の通りで、狭窄を利用したクランク型のコミュニティ道路です。第二号は平成元年に整備されたすずらん通りですが、こちらはゆるやかなS字カーブとなっているスラローム型です。いずれも車の走行速度を落とす工夫がなされ歩道の幅は広くとられました。すずらん通りではブックフェスタやすずらん祭りなどが開催されており、まさに賑わいの空間となっています。
 コミュニティ道路またコミュニティゾーンの整備にあたって必要なことは、以下の3点であると思います。
一点目は、幹線道路の整備が終わっていること。二点目は、整備にあたっては、あくまで住民主導型で進めること。計画、建設、管理の各工程に住民の参加が求められることであります。
 そして三点目は、これらの整備には、「道路交通文化」が必要であること。「道路交通文化」とは、欧州ではごく普通のこととなっていますが、歩行者、自転車、車の3者の通行区分といったハード面にとどまらず、ソフト面において3者相互の信頼関係が築かれていること。自転車と車が対等な関係を築き、ともに無防備な歩行者を最優先として気遣い、振る舞うことが生活様式として定着していることであります。この道路交通文化については交通事故との関係についても触れておきます。日本においては、死に至る交通事故の内、歩行者が犠牲になるものが三分の一を占めています。人口当たりで比較すると、驚くことに欧州主要国の2倍以上であり、オランダと比較すれば4倍以上となっています。さらに歩行者の死者数の内、高齢者の比率が50%以上と高いこと、また、高齢者の事故は自宅近くの身近な道路で多く発生していることが日本の特徴となっています。(津田美智子「歩行者と自転車の道の革命」より)これら交通事故の差は、欧州と日本とのハード面の整備とソフト面の道路交通文化の違いから生じていることは明らかであります。
 コミュニティ道路またコミュニティゾーン整備を総合的かつ計画的に進めること、合わせてソフト面の道路交通文化の普及と啓発が必要であることを述べました。
そこで、幹線道路を除く区画道路また幹線道路に囲まれたエリアについて可能なところはコミュニティ道路やコミュニティゾーンとして整備していくことを提案します。また、それらを総合的かつ計画的にそれらの整備を推進していくための(仮称)コミュニティ道路整備計画の策定を提案します。ご所見を合わせてご答弁ください。

 以上、「子どもの読書活動推進のまち、千代田を目指して!」と、「魅力的な道路づくり、道づくりに向けて」について質問を行いました。
 前向きで明快なる答弁を期待しまして質問を終わります。
 ありがとうございました。


 

〈区長答弁〉

 大串議員のご質問にお答えいたします。
 まず、子どもの読書に関する私の認識を申し上げます。
 子どものときに読んだ本と、大人になって読んだときと、同じ本を、それから、現時点で読んだときは、もう本当に感じ方、受けとめ方、同じ本でも随分違います。まさに、子ども時代に読書という生活習慣をつくっていくことというのは、私は、ある面では、子育ての中で心を育てるという意味で、非常に重要なことだというふうに思っております。そのために、お話しのように、この図書館と読書振興センターがさまざまな取り組みをしております。大串議員もそうした認識は同じだろうと思いますので、今後もそうしたことについてはしっかりと取り組むことを明快に申し上げたいと思います。

 次に、道路のあり方、あるいは役割について申し上げます。
 道路は重要な交通インフラであるとともに、人々の交流や生活の場であり、地域コミュニティを創出する上で大変貴重な空間である。かつて、子どもたちの遊び場であり、近隣の人たちの憩いの場、交流の場、行事の場であり、まさに生活の場として、まちの賑わいや活力を涵養する空間であったと思います。しかし、生活の利便性、あるいは産業の高度化とともに、自動車交通中心の利用へと変化をしました。これからは、まちの賑わい創出や地域の活性化を図る上で、人々がさまざまに公共空間の利用を図っていくことが基本であると思います。江戸時代のお話が出ましたけど、まさに江戸の街道は、文化や産業を運ぶという位置づけでありました。我々も、そうした思いで、今後、道路のあり方について進めなきゃいけないと思います。
 ところで、先行して千代田区は、平成23年10月に、「公共空間活用検討会」を設置しました。これは、とりあえず秋葉原と、あるいは皇居周辺でございます。この考え方は、道路や広場が人々にとって安全・安心をベースとした憩いや賑わいの場、あるいは、議員ご指摘のコミュニティ文化の発祥する場ということを前提に、関係者、地域の方々、あるいは行政機関と議論をして進めているわけでございます。そのときの考え方は、あくまでも、こうした道路や空間、広場等ができるだけ地域の方々が主体的にマネジメントをしていただきたいという思いもございます。いずれにいたしましても、お話しの点は十分に今後受けとめさせていただきたいと思います。

 なお、その他の事項については、関係理事者をもってご答弁をいたさせます。

 

〈区民生活部長答弁〉

 大串議員の子どもの読書活動推進に関するご質問にお答えいたします。
 子どもの読書活動の推進につきましては、ご案内のように、千代田図書館に設置いたしました「読書振興センター」が中心的役割を担っております。その活動は幅広く、「学校支援」「読書に関する啓発・普及のためのイベントの開催」「地域との連携強化及び知識資源・財産の活用」「読書振興にかかわる情報の収集・発信」など、子どもだけでなく、大人も対象といたしております。特に学校・園等への司書派遣につきましては、これまで派遣回数や派遣対象を拡充するなど、発展的に取り組んでまいりました。
 お尋ねの今後の取り組みでございますが、区では、これまで子どもの読書状況について定期的な調査を行っておらず、読書活動推進のさまざまな取り組みに必要となる読書の現状や変化を正確に把握できておりませんでした。そこで、「第2次子ども読書活動推進計画」に基づき、新たに読書振興センターにより、区立の全小・中学生を対象とした「子ども読書調査」を毎年度実施することといたしました。これにより、子どもの読書状況をきめ細かく把握し、さらなる読書活動の推進につなげてまいります。
 次に、読書活動に携わる人材育成やボランティア活動への支援についてであります。
 家庭の保護者、ボランティア、教員や子どもにかかわる施設の職員など、さまざまな立場で子どもの読書活動にかかわる方々へのセミナーや講演会など、学びの場の提供や活動支援を一層充実してまいります。特に、読書振興センターでは、保護者を中心としたボランティアグループに対して、オリエンテーションや講座・研修を行い、ボランティア育成に係る支援を随時行いますとともに、四番町図書館では、「絵本読み聞かせ講座」(ラウンジセミナー)の開催により、読み聞かせボランティアの育成を一層推進してまいります。また、これらの活動への参加の励みにしていただけるよう、ご提案の「読み聞かせコンシェルジュ」のような仕組みの導入も検討してまいります。

 

〈都市基盤整備担当部長答弁〉

 大串議員のご質問のうち、コミュニティ道路整備についてお答えいたします。
 道路は、これまでの車を中心とした考えから、歩行者の安全や地域の生活を中心とした考えに基づき、まちの賑わいや地域の活性化を図る公共空間として有効活用されることが重要であると認識しております。議員ご指摘のように、区では、これまでも有楽町や神保町すずらん通りなどでまちの賑わいを生み出すコミュニティ道路の整備を行ったほか、コミュニティゾーンについても、中神田地区や神田駅周辺地区、御茶ノ水地区などで安全・安心な道路の整備などを行ってまいりました。さらには、電線類地中化やセミフラット化などのバリアフリー歩行空間の整備を、地域の皆様との協議を重ねながら進めてきたところです。
 区では、こうした生活道路の安全の取り組みとして、交通安全地域整備(ゾーン30)事業を警察と連携し取り組んでいるところであり、今年度は神田錦町地区のほか、三崎町地区で整備する予定です。引き続きこうした取り組みの中で、まず人が優先であるほか、自転車と自動車についても、安全・安心な通行ができる道路空間の創出に向け、地域の皆様とともに検討を進めてまいります。
 議員ご提案のコミュニティ道路整備計画の策定についてですが、生活道路は人中心の道路であることに力点を置きながら、これまでのさまざまな取り組みを踏まえ、その方向性を模索してまいりたいと考えております。

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