真心の伝わる政治を!
大串 ひろやす
平成30年第4回定例会
「資源循環型都市千代田」を目指して!
一般社団法人 JEAN よりお借りしたパネルを提示して!
〈質問通告〉
「資源循環型都市千代田」を目指して!
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プラスチックによる海洋汚染が深刻である。今こそ、「大量生産、大量消費、大量廃棄型社会」から「資源循環型社会」への転換を目指すべきである。そこで、実現に向けての基本的な考え方を問う。
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プラスチックごみ削減に向けての具体策について
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3R(使い捨てプラスチックの削減などの発生抑制、再使用、リサイクル)の推進、特に2R の推進が重要。
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そのためには生産者も消費者(ライフスタイルの転換)も、意識改革が必要である。普及啓発の方法は。
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その一つとして、レジ袋からマイバッグへ、ペットボトルからマイボトル、マイカップへ、誰もが参加できるキャンペーンを行うことを提案する。所見は。
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仮称「千代田区3R推進行動計画書」の策定を提案する。所見は。
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キーワードとして「もったいない」(Respect)を提案する。所見は。
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「企業やNPO、大学との連携と協働」が必要である、そのための場や機会を設けることを提案する。所見は。
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区はコーディネート役を果たすとあるが具体的には何を目指してのものか。
〈質問と答弁の全文〉
平成30年第4回定例会にて、公明党議員団を代表して質問を行います。
質問の趣旨は、プラスチックごみによる海洋汚染が極めて深刻な状況、つまり生態系破壊の因となっている状況にあり、世界的な問題また私たちの身近な問題ともなったプラスチックごみの削減について、千代田区の取り組みを問うものです。
2016年国連環境計画は、「2050年、海に漂うプラスチックごみの重量は世界中の海の魚を全部合わせた重量を超える」と発表し、世界を驚かせました。「海洋汚染のうち約8割をプラスチックが占めています。毎年約800万トンのプラスチックごみが海に流入しており、約1億5000万トンのプラスチックごみが海にたまっている」(DAYS JAPAN 2017年11月号より)とされます。国連はこのプラスチックごみによる海洋汚染を「温暖化問題に匹敵する世界的問題」であるとしたのです。
まずは3枚のパネルをお示しします。海洋ごみ問題の普及啓発を行っている一般社団法人JEANよりお借りしたものです。本来は10枚一組のパネルですが内3枚をお示しします。
(パネルの一枚目を提示)これはハワイアンモンクシール、アザラシの一種です。説明には「リング状のプラスチックが口にはさまり死んで発見されたハワイアンモンクシール。アシカやアザラシ、イルカなどは好奇心が強く、見慣れないものがあると自分から近寄ったり、ごみの陰に集まる魚を食べようとしたりすることがあります」、(パネル二枚目を提示)「漁網にひっかかり、身動きがとれなくなり溺れて死んでしまったウミガメ。ごみが体にひっかかってしまうと、人間のように手を使って自分にからまったものを外すことはできません」、(パネル3枚目を提示)「海面のごみを食べているクロアシアホウドリ。漂流するごみとエサである魚を区別することができず、間違えてごみを食べ、栄養をとることができなくなったために死んでしまう海鳥もいます」と。いずれも大変ショッキングな写真です。
最近では、8月に鎌倉市由比ガ浜にすでに死んでいたそうですが生まれて3か月から6か月のクジラが漂着したことがニュースとなりました。本来クジラの赤ちゃんはお母さんのミルクしか飲みません。それなのにおなかにはプラスチックがあったことが伝えられました。直接の死因ではないにしろ、いかに海がプラスチックで汚染されているかということがわかります。
神奈川県では、このことをクジラからのメッセージであると受け止め9月4日に「かながわのプラごみゼロ宣言」を発表しました。
(図1缶バッジの写真を表示)
図1
内容は、「プラスチック製のストローやレジ袋の利用廃止・回収などの取り組みを、市町村や企業、県民とともに広げていくことで2030年までにできるだけ早期にリサイクルされない廃棄されるプラごみゼロを目指します」というものです。県ではさっそく普及啓発用のクジラが泣いている缶バッジを作成し配布しています。私もいただきました。バッジはこの泣いているクジラがデザインされています。(図1を閉じる)
この2030年までにプラごみをゼロにするという目標は今年6月カナダで開催されたG7シャルルボアサミットで「海洋プラスチック憲章」として採択された目標でもあります。日本とアメリカは残念ながら署名しませんでしたが、プラごみ削減への世界の目標と基準がここにできたのです。憲章にはこうあります。「2030年までに、プラスチック用品を全て、再利用可能あるいはリサイクル可能、またどうしても再利用やリサイクル不可能な場合は熱源利用等の他の用途への活用(リカバリー)に転換する」と。
DAYS JAPANの昨年の11月号は、プラごみによる海洋汚染の特集でした。こうあります。「20世紀に入ると石油化学の発展とともにさまざまなプラスチック製品が開発された。形が自在に変えられ、割れず、水に強く軽い。そんな『魔法の素材』は一気に拡がり、日本でも1950年代以降に急速に普及。ビン入りの飲料類はペットボトル容器に変わり、紙袋がレジ袋に変わり、文具、商品のパッケージ、下水管・・・、日常は、今やプラスチック製品で溢れている。プラスチックはインフラや医療の現場でも活躍するし、なくてはならないものであることも確かだ。しかし、その使い方を私たちはそろそろ見直すときだと、世界は警告している。(中略)私たちは今こそ、自分たちの『便利さ』の裏側に向き合う時だ。そうでなければそう遠くない未来、待っているのは『便利な暮らしの』がもたらす『消えないごみ』に支配されるかもしれない」と。その通りであります。私たちは今きちんとこの問題に向き合い海洋プラスチック憲章で掲げられた目標に向かってプラスチックごみの削減へ具体的かつ確かな道筋をつけるべきであります。
さて、資源循環型社会構築へ向けての基本的な考え方についてであります。
国は、約20年前の平成12年(2000年)に、循環型社会形成推進基本法を定め、それまでの大量生産・大量消費・大量廃棄型の経済社会から資源循環型社会へ大きな転換を目指しました。法にはそのための具体的な方法も明記されました。それは、廃棄物処理の方法とその優先順位を明確にしたことです。①発生抑制(Reduce)、(第5条)②再使用(Reuse)、③再生利用(Recycle)、④熱回収、⑤適正処分という順位を伴った方法です。(第7条)(環境省の「循環型社会形成推進基本法の概要」より)
ここで注目しておかなくてはならないことがあります。それはリサイクルと熱回収を別のものとしていることであります。海洋プラスチック憲章でも同様であります。世界では熱回収はサーマルリカバリー称しリサイクルとは別物としています。それがルールとなっているのです。日本では法に明確に書かれた後も、熱回収をサーマルリサイクルと称しリサイクルに入れています。本来のリサイクルする前に熱回収してしまっているのです。プラごみの半分以上を「サーマルリサイクル」、正式には「サーマルリカバリー」して しまっているのです。単純焼却と合わせると7割近いプラスチックが焼却されています。このことが、使い捨てプラスチックの大量消費を許してしまう原因となっているの ではないでしょうか。千代田区では、安易にサーマルリサイクルには回さず、プラスチック製の容器包装もペットボトルも資源回収しています。
話を戻します。東京23区においては循環型社会形成基本法が制定されたのと時を同じくして平成12年に清掃事業の内、収集・分別・運搬の事務が都から区へ移管されたわけですが、各区は、一般廃棄物処理基本計画を策定することとなりました。千代田区のその計画には、「豊かで便利な生活を追い求めた結果、大量生産・大量消費・大量廃棄という資源やエネルギーを過度に浪費する社会経済システムができて、地球規模で環境に大きな負荷を与えています。(中略)このまま、現在の状況が続くとかけがいのない地球環境の修復は不可能となり、私たちの生活基盤そのものが破綻してしまいます。今こそ大量生産・大量消費・大量廃棄といったこれまでの生活スタイルを見直し、環境破壊の進行を食い止め、事態の改善に向けた実効ある対応を早急に講じていく必要があります。(中略)この計画は以上の認識の基に(中略)一般廃棄物に関し、発生抑制、再使用、再利用、適正処理の推進によって『資源循環型都市千代田』の実現を目指すための長期的、総合的な計画として策定するものです」と、計画策定の意義と目的が明確であります。
法も計画もできて約20年が経過しようとしています。
この間、区の一般廃棄物処理基本計画も約5年に一回見直しを重ね現在は第4次の計画となっています。第4次計画の特徴は、リサイクルよりも発生抑制、再使用の2Rを優先して進めることを改めて方針とし、その方法も含めて明らかにしたことです 。例えば、
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食品ロスの削減(新規)
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リユース食器の利用促進(拡充)
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レジ袋の削減、マイバックの推進(新規)
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資源の集団回収の充実(拡充)
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行政によるコーディネート(新規)
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企業やNPO、大学等との連携と協働(拡充)
などがあげられています。
遅くなった感はありますが、2Rを優先して取り組むとされたこと評価いたします。
プラスチックごみによる海洋汚染の深刻なこと、またプラスチックごみの削減のためには資源循環型社会への転換が必要なこと、そしてそのためには廃棄物処理の優先順位が大事であることを国の法律と区の一般廃棄物処理基本計画を紹介し述べさせていただきました。
そこで、改めて、区として資源循環型社会構築へどう取り組もうとしているのか基本的な考え方をお伺いします。
次に、プラスチックごみの削減に向けての具体策についてであります。
海洋汚染について長年調査研究されている東京農工大学教授の高田秀重氏の資料より3枚の写真をお示しします。(図2を表示)
図3
図4
図5
これは、5ミリ以下となったプラスチック片です。5ミリ以下になったプラスチックをマイクロプラスチックといいますが、さらに1ミリ以下のものはマイクロビーズと言われます。この位になると植物連鎖の底辺ともなるプランクトンがビーズを体内に取り込んでしまいます。(図2を閉じて、図3を表示)
紫外線や熱、波の力などでプラスチックごみがマイクロプラスチックになります。(図3を閉じて、図4を表示)
これは、世界の海に漂うプラスチックごみを表しています。高田教授は、このように「海に漂うマイクロプラスチックは回収が不可能である。しかも海中にある有害化学物質をどんどん吸着していきます」と、強調します。分解されることもなく回収もできないまさに「消えないごみ」となるのです。5兆個といわれるプラスチックが太平洋ごみベルトに漂っています。また、「このまま何も手を打たなければ海に入るプラスチックはこれから20年の間に10倍に増えるだろう」とも述べています。(DAYS JAPAN 2017年11月号より)考えるだけで恐ろしくなります。(図4を閉じる)
プラスチックごみの削減が急がれます。国においては必要な法整備をすること。自治体としては、憲章にも、法にも、計画でも強調された優先順位のある3Rの着実な実施です。
消費者も生産者もまずは発生抑制、再使用へ意識改革が大事となります。
消費者として今までは一回使って捨てるレジ袋やペットボトル、ストローもあたりまえでした。それが何からできているのか。捨てた後はどうなるかなど興味も疑問ももたなったのではないでしょうか。より便利に、より安くというニーズは使い捨てがあたりまえの生活スタイルをつくったのです。大量廃棄型社会です。今後は、買い物にいく時はマイバックを持ち、お茶を飲みに行くときはマイボトル、マイカップを持っていく。使い捨てのプラスチック製容器や包装は使わない生活スタイルへ変えていくことです。
リユースの方では、代表的なものにリユース食器とリユースびんがあります。地域のイベントでも、また、先日行われました福祉祭りでもリユース食器が使われ大変好評でした。リユースびんは日本では昔から使われてきました。代表的なものは一升瓶です。世界にはない日本の誇れる独特の仕組みだそうです。他に、ビールびんや牛乳びんなどRの文字が入ったリターナルびん、いわゆるRびんであります。ただ残念なことに年々そのRびんの使用は減ってきています。核家族化の影響や酒屋さんの数が激減したこと、またリユースよりリサイクルを優先させてしまったことなどが原因として考えられます。日本の世界に誇るリユースの仕組みなので是非とも応援していきたいと思います。
プラスチックごみの削減へ、消費者の意識改革、生活スタイルの変化は、必ずや生産者の経済活動をも変えていくことになると思います。プラスチックフリーのお店が売り上げを伸ばしていることがあります。例えば、化粧品会社のLUSH(ラッシュ)は、10年も前からプラスチックを減らす取り組みを行ってきています。世界の全店舗で一部のリサイクルできる容器を除いて完全にプラスチック包装をやめたとろ、売り上げは3倍になったそうです。また、オランダのスーパーマーケットの「エコプラザ」も今年度末までに74支店でプラスチックフリーのコーナー設けるとしています。欧州ではすでにサーキュラーエコノミーというそうですが、循環型経済がスタートしています。
さて、この生活スタイルの転換ということでは、第4次の計画には、「千代田区型ライフスタイルの提案」とあります。 区としては意識改革と普及啓発に努めこの新しいライフスタイルの実現に向けて取り組むべきであります。
私はそのための方法として3点提案したいと思います。
1点目は、区で以前実施したことがありますが、プラごみ削減の具体的な目標を明確にして「マイバック、マイボトル運動」としてキャンペーンを行うことを提案します。キャンペーンに合わせて区として何らかのインセンティブを考えることも必要です。例えば、マイバックについては、「千代田区もったいないバック」とかをロゴにして入れ、バックを希望する区民には配布してはどうでしょうか。マイボトル、マイカップについては協力していただ いた利用が可能なお店をマップにして広く周知することなどしてはどうかと思います。
2点目は、(仮称)「千代田区3R推進行動計画書」の作成を提案いたします。区の計画ですから仕方ないかもしれませんが、まず、「一般廃棄物処理基本計画」の名前が固く専門的で一般の区民の方は手にしにくいということがあります。また、主語がすべて「区は」となっていることです。「区は求めていきます」、「区は推進していきます」などであります。3Rの推進には、区民と事業者、そして行政が目的を始めノウハウや情報を共有し主体的に取り組むことが必要です。そこで、主語が、区民は、事業者は、区はとなるよう区民、事業者、区が参加して、それぞれが主体的に取り組む「自分たちの行動計画」を作成してはどうでしょうか。タイトルは例えば「千代田区3R推進ブック」など誰もが手にしやすいようしてはと思います。期間は一般廃棄物処理基本計画と同じ2025年度までとし、次の計画作成では期間を海洋プラスチック憲章が目標とした2030年としてはと思います。
そして3番目の提案は、3Rを進めていくためのキーワードについてであります。
それは世界共通語となりました「もったいない」という言葉です。言葉としてだけではなく今では一つの価値観として定着しつつあります。「もったいない」という言葉を世界に広くアピールし定着させたのは2011年に亡くなられましたが、ノーベル平和賞を受賞されましたケニア出身のワンガリマータイさんです。実は、公明党の神奈川県議会の小野寺慎一郎議員は、3Rにもう一つのR(リスペクト)(尊敬する、思いやる)を加えた4Rを提唱し推進しました。
また「もったいない」という本も著しました。この本に賛同の文章をマータイさんが寄せました。「これこそ“もったいない”の心」と。プラスチックごみの削減はきれいな海を守り、地球に生きるすべての生物を守るためです。4つ目のR(リスペクト)を加えて、3Rを推進することはぴったりであります。
そこで、3Rにもう一つのR(リスペクト)をプラスして、またキーワードとして「もったいない」を掲げて取り組むことを提案いたします。
以上、意識改革と普及啓発について3点の提案をさせていただきました。
そこで、3Rの推進のための普及啓発をどう行うのか。また具体的な方法として3つの提案を行いました。それぞれ所感をお伺いいたします。
次に、「企業やNPO、大学との連携と協働」についてであります。
計画の基本方針には「区民、事業者、行政の協働による取り組みを推進します」とあります。また、取り組みとして、「区は、企業やNPO、大学等と協働し各団体が持つ資源の循環に関する情報を共有し、このネットワークを活かして既存の地域コミュニティが企業やNPO、大学等と連携し地域が主体となって3Rを推進します」と。3R推進行動計画書の提案のところでも述べましたが、千代田区としてとても大事なことであります。問題は、各主体が集まり知恵を出し合い3Rを実質的に推進するための会議体が必要なことです。
計画では、進行管理するのは「千代田区みらいくる会議」であり、計画の評価は、「一般廃棄物減量等推進審議会」であるとなっています。みらいくる会議は定数が30名であり企業の方も区民の方も入っています。計画全体の進行管理と共に3Rを推進・協働するための会議体として明確にしてはどうでしょうか。勿論、区も3R推進の主体者でもあり、また、区民や事業者の取り組み対して支援していくことも必要です。よって、清掃事務所のみではなく全庁的に取り組める体制を整備していくべきと考えます。
そこで、千代田区みらいくる会議の役割と今後の会議の運営をどう行っていくのか、区の体制も含めてお伺いします。
次に、行政によるコーディネートについてであります。
今回の計画には新たに「行政によるコーディネート」が事業系ごみの削減の6番目に掲げられています。
千代田区のごみの9割は事業系であること、またプラスチックごみの削減には生産者である大手の事業者との協力は必要不可欠であります。コーディネート役を設けることは是非とも必要なことと思います。できれば事業者のみではなく区民も含めて広く3Rを推進するためのコーディネート役まさに推進役として、講座などを通して養成してはどうでしょうか。
そこで、計画にあるコーディネート役を果たすとは、具体的にはどのようなことを目指してのものなのかお伺いします。また、3R推進役としてのコーディネーター養成を提案します。ご所見をお伺いします。
以上、「資源循環型都市千代田」を目指してと題し、プラスチックごみの削減についてその具体策を問いました。区長並びに関係理事者の前向きな答弁を期待して公明党議員団の代表質問を終わります。
ありがとうございました。
〈区長答弁〉
大串議員の資源循環型都市千代田に関するご質問にお答えいたします。
ご指摘の投棄されたプラスチックによる海洋汚染が世界的に広がっていることは、本当に深刻な問題だと私は思います。
今や世界各都市の廃棄物の問題が地球の環境に大きな影響を与える時代になっているんだろうと思います。廃棄物は都市の環境問題の原点であり、大量生産、大量消費、大量廃棄型社会から資源循環型社会へ転換が今、最も問われているんだろうと思います。そういうご指摘だというふうに私は受け止めております。
特に千代田区は、清掃工場を持たない千代田区として、3Rを推進し、ごみ削減・資源化に取り組んできております。また、プラスチックについても、他自治体に先駆けて資源化に努めている。とりわけ、レジ袋をもらわない、マイ箸を持参をし、割り箸を使わない、必要ないものはもらわない、断るというリフューズは、大串議員がご指摘の3Rに「もったいない」を加えた新しい、私はRだと認識をしております。レジ袋のように、使い捨てを覚えた便利な味から使い捨てが当然ではない社会というのを、私は目指すべきだろうと思いまして、これからの、千代田区といたしましては3Rに加えたこうした考え方を積極的に取り入れていきたいと思います。特に千代田区はご承知のとおり企業や大学が多く集まるところでございますんで、こうした取り組みをすることが日本社会全体に対してさまざまな影響、現象を与えると思いますのでしっかりと取り組んでまいりたいと思います。
なお、詳細については、関係理事者をもってご答弁をいたさせます。
〈環境まちづくり部長答弁〉
大串議員のプラスチックごみ削減に関するご質問について区長答弁を補足してお答えいたします。
まず、生産者も消費者も意識改革が必要であるとのご質問でございます。
資源循環型都市千代田を目指すに当たり、できる限り資源を使わないライフスタイルへの転換が求められており、とりわけ、3Rのなかでも川上にあたりますリデユース、リユースの2Rの推進が重要でございます。その普及啓発の一環といたしまして、今週末12月1日に開催される「エコ&サイクルフェア」では、海洋ごみ問題のパネル展示を実施する予定となってございます。また、区ではこれまでもマイバック、マイ箸などの利用促進を行っておりますが、議員ご提案のキャンペーンの実施やマップの配布についても検討してまいりたいと存じます。
次に、(仮称)千代田区3R推進行動計画の策定のご提案についてでございます。
ご指摘のとおり、3Rの推進のためには、区民と事業者、行政がノウハウや情報を共有しながら取り組むことが重要でございます。ご指摘の「もったいない」を掲げることを含め、みらいくる会議のご意見もちょうだいしながら検討してまいります。
次に、千代田みらいくる会議の役割と今後の会議の運営をどう行っていくのかについてですが、千代田みらいくる会議は、一般廃棄物の減量及び処理について区民の意見を区の施策に反映させるために設置された区民や事業者の方々で構成される会議体でございます。ここで検討された内容は区長に報告され、区の施策に生かされることとなります。千代田みらいくる会議は、過去6期にわたり活動し、その成果は、例えば、資源回収の拡充策、リユース食器貸出し制度の導入、ペットボトルやプラスチック制容器包装の資源回収、紙ごみのリサイクル、レジ袋の削減など、区の施策として実施に移されてきたものも数多くございます。その後の廃棄物を取り巻く環境の変化や、議員から頂戴した提案の具体化を図るためにも、第7期の千代田区みらいくる会議を発足させ、検討を進める時期に来ているものと考えてございます。
また、第1期の千代田みらいくる会議では、ちよだフェスにリサイクルブースを出展し、ごみ減量リサイクルの推進について協力をお願いした経緯もございますので3Rの推進又は協働についても検討してまいりたいと存じます。
最後に、区がコーディネート役を果たすことについてでございます。
区から発生するごみの約9割は事業系ごみであり、事業活動に伴って発生するごみは自己責任で処理するのが原則でございます。しかしながら、それでは十分でないとの認識のもと、事業用大規模建築物につきましては立ち入り調査を随時行い、企業のごみ減量や再利用計画について指導をしてございます。また、中小事業所、とりわけ小規模事業所につきましてはほとんどが区が収集している事業系ごみでございまして量が少ないことや情報量不足等によりまして、適正な分別がなされていない状況が散見されるのが実情でございます。こうしたことから、事業所への立ち入り指導を検討するとともに、例えば、ごみの発生抑制や資源循環システムの構築に向け、さまざまな情報提供や商店会や同一建物の複数事業者間などの連携によるごみの減量のコーディネート役を区が担う必要があるものと考えてございます。区内事業所の約9割は中小事業所であり、区がコーディネーター役を担うことで、こうした中小事業所から排出される事業系ごみの適正化ごみの減量リサイクルの推進にも取り組んでまいりたいと存じます。
〈再質問〉
自席から再質問させていただきます。
コーディネート、最後の答弁ありましたけれども。企業に調査、立ち入って指導するんだということですが、区は指導する立場というのも一時はあったかもしれない。でも今は企業と事業所と区民と行政が対等になって、一緒になってプラスチックごみ削減する時期きているんだと思います。その点からして、コーディネーター養成はいいことを書いたなって私は思ったんですが、今の答弁を聞いていると、私が思ってるコーディネーターとは違う。
それで、講座講習を行って、そういう3Rに長けた人、推進役になってもらう人、要請して、一緒に取り組んでいったらと思うんですけど、この点はどうかと思います。
〈環境まちづくり部長答弁〉
大串議員の再質問にお答えいたします。
区がコーディネート役を担うと言うことです。これにつきましては、決して、区がいうことコーディネートするわけではありませんで、先ほど申し上げたみらいくる会議も含めまして、まずは意識啓発をさせていただいて、当然対等な立場で行政、区民、事業所が一体となって共同して取り組むということでございますので、ご理解を賜りたいと存じます。
(参考)
書籍「もったいない」プラネット・リンク編より
「マータイさんの言葉から」
「初めて日本語の『もったいない』の意味を知った時、世界へのメッセージとして大事な言葉だと直感しました。私はまず、もったいないの精神的なルーツにとても惹かれました。そして、長年、環境問題に取り組む中で掲げてきた合言葉「3つのR」(リデュース、リユース、リサイク)を、たった一言で言い表しているのが素晴らしいと思いました。私たちが住む地球を破壊に追い込む深刻な脅威を減らすには、資源の無駄使いをなくし、使えるものは再利用し、そうでないものはリサイクルしかありません。
『私には何ができるの』と聞かれたら、私はいつも、『人間一人ひとりに変化を起こす力があるのよ!』と答えます。『3つのR』こそが、将来の世代へとつなぐ健康的できれいな世界をつくることに不可欠なのです」と。(3Rイニシアチブ閣僚会合にて)