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真心の伝わる政治を!
大串 ひろやす
平成19年第2回定例会
身近な自治の仕組み構築に向けて!
〈質問通告〉
身近な自治の仕組み構築に向けて!
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住民に最も身近な「政府」である自治体に、今期待されていることは「身近な自治の仕組み」を構築することと考える。そこで区長に 構築に向けての基本的な考え方を問う。
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区として「身近な自治の仕組み」構築に向けて取り組んできた今日までの成果と今後の課題は何か。
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今年度予定される推進プログラムと行革大綱の改訂についてその具体的な手順と方法は。
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景観まちづくり条例について
〈質問と答弁の全文〉
平成19年第2回定例会にあたり公明党議員団を代表して質問を行います。
この度の統一選告示日の翌日4月16日ですが、読売新聞の社説は「身近な『自治』を見直す契機に」というタイトルがついていました。いいタイトルだなと思いました。身近な課題を解決するためには身近な自治の仕組みが是非とも必要と考えるからです。身近な課題である子育て、教育、福祉、介護、環境を含むまちづくりなどどれ一つとっても、今や国による全国一律のサービスでは解決できません。また昔のようにお願いすれば役所がすべて解決してくれた時代でもありません。今では町会を始めとする地域、ボランティア団体やNPOそして事業者や大学などの参加なくして身近な課題、地域の課題も解決できなくなっています。例えば一人住まいの高齢者の相談に乗る「困りごと24」、子育てでは「ファミリーサポート事業」、環境では「公園のアダプト制度」、「喫煙マナー啓発員」、観光では「観光ボランティア」、図書館では「サポーターズクラブ」などであります。社説では、選挙のこの機に私たちのまちの身近な自治をもう一度考え見直してみてはどうかということでしたが、 私はもう一歩進めて有権者としてだけでなく、主権者として自治のあり方を日常のなかで考え活動できるようしてはと考えます。またそのための仕組みを自治体は用意すべきであります。
さて、自治ということでは「江戸の自治制」という本があります。法政大学図書館より借りてきたものですが、ここに持ってまいりました。大正11年に当時東京市長だった大政治家後藤新平によって発刊された本であります。今ではなかなか手に入らない貴重書であります。(古書店では2万6千円という値段がついていました。)江戸市民たちの治安や消防そして福祉の仕事を担っていた制度の詳細を史料を引きながら解説したものです。江戸の自治の特徴として①相互扶助、②相互責任、③儀礼であることを紹介しています。またこの自治の仕組みを明治政府は捨て去り、代わりに中央集権体制を敷いたことも怒りをもって書かれています。
後藤新平は若いころから「自治」という言葉を重要視していました。衛生学者として人間の「自治の本能」を説き、東京の都市行政にあたっても上意下達の態度を退け、「自治的精神」の涵養を唱えていました。市長に就任した年には、自治に関して意見をもらうためのはがき6万5千通を市民に発行し、その結果を市民に報告し市役所の改革を進められたそうです。「大風呂敷」と呼ばれるほどに大きな国家戦略を構想しながら他方ではまちに生きる人々の「自治」の営みに細やかな配慮をゆきわたらせ、市民による「自治」の可能性に向かっていたことが、後藤新平が大政治家とも時代の先覚者とも評価されている原因ではないでしょうか。
区長の招集挨拶にもありましたが、先日地方分権改革推進委員会からの「基本的な考え方」が発表されました。そこでは「国民・住民のための地方自治を担うべき「地方政府」の確立に向けた分権改革が待ったなしの状況となっている」と改革の目標を明確にし、「国が地方のやることを押し付ける中央集権型システムはもはや捨て去るべきである」、「国は、国が本来やるべき仕事のみに専念して、国民・住民に最も身近なところで行政のあり方を国民・住民がすべての責任で決定・制御できる仕組みを構築しなければならない」と方向性を示します。さらに「住民・首長・議会が自治の担い手として意識改革を行い、その下で職員も自らの使命を自覚してそれぞれが確固たる意志と責任を持って進んでいかなければならない」と。明治政府が「自治」を捨て、中央集権システムを目標としたこととまったく逆のことがこの度の「基本的な考え方」に記述されたのであります。「江戸の自治制」が発刊されて85年が経ち、後藤新平生誕150年の今年にこのような分権改革の目標が示されたこと、誠に感慨無量であります。
このような時機に、自治体として身近な自治の仕組みを構築していくことは大変意義のあることであります。区長は招集挨拶でこのような分権改革を「後戻りさせることなく実現していく」とし、自治の基本である自己決定、自己責任についても述べられました。
そこで改めて区長に身近な自治の仕組み構築についての決意と考え方をお伺いいたします。
次に、身近な自治の仕組み構築に向けて区が取り組んできた今日までの成果(現状)と今後取り組むべき課題についてであります。
今日までの主な取り組みは、
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まずは協働の仕組みについてであります。平成15年3月に「NPO・ボランティアとの協働を進めるための基本指針」いわゆる協働の指針を策定し、NPO・ボランティア団体からの政策提案制度ができました。現在、第6回を数え提案を募集中です。主な実績としては障害者就労支援事業などがあります。
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2点目に、区長と様々な課題について直接対話ができる「まちかど懇談会」の開催。
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3点目に、情報の共有ということでは、①税金の使い道とその成果であります。平成15年度より作成されました「予算の概要」と「主要施策の成果」ですが年々バージョンアップされ、大変わかりやすいと評価されています。それから②積極的な出前講座の実施があります。特に昨年度実施されました出張所主催で行った分野を限定しての予算説明会の開催など評価できるものです。
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4点目に、これは成果ということとは異なりますが、何よりも区として共生の理念と共生社会の実現というビジョンを広く区民に示したことは大変意味のあることだと思います。理念もビジョンもないところには自治も協働もないからであります。
次に課題であります。
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最初に、NPOとボランティア団体に限定したものになっている現在の「協働の指針」の見直しが必要であることであります。共生の理念のもと、相互理解と対等の関係をあくまで基本としながらもっと広く、多くの主体を対象にしたものへと見直しが必要です。また協働を進めるための総合窓口の設置と具体的なマニュアルの作成も必要であります。確かな目標も、コンセプトも、行政との役割分担も不明確なまま安易に参加・協働を求めてはならないからであります。
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2点目に、改めて公共を定義する必要があるということであります。長い間公共は官に独占されていました。いわゆる公共=官、もしくは公共の福祉=官という関係であります。それが役所=お上、官=お上に変わってしまい住民との関係は上下となっていなかったか。またいわゆるお役所仕事を生む原因となっていなかったか。憲法解釈においては国民主権がいつの間にか国家主権に変わってしまい、本来、市民自治のための基本法が国家統治のための基本法となっていなかったか。いずれにしても今では対等の関係で、お互いを尊重し合い、誇りを持って皆で担う公共を定義すべきでしょう。
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3番目に自治基本条例の制定という大きな課題も残っています。
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4番目に情報共有の方法でありますが、特に政策情報の提供についてです。
役所としては所管ごと把握している課題をマップにして公開すること。この点については受身的な把握ではなく、むしろ積極的に地域住民の要望・ニーズを丹念に収集整理していくことが重要な点となっています。
また双方向での情報のやりとりということでは、現在まちみらい千代田で行っている地域SNS(ソーシャルネットワークサービス)との連携とさらなる充実も必要でしょう。
以上、成果(現状)と課題について指摘させていただきました。自治の仕組みとしては、新宿区のような各出張所別の地区協議会、武蔵野市のコミュニティ協議会など会議体を結成して行っているところもあります。当然全国一律である必要はなく、地域ごと独自の仕組みがあってよいと思います。
そこで、自治の仕組み構築のため区が取り組んできた今日までの成果と何を今後の課題としてとらえているのかをお伺いいたします。
次に推進プログラムと行財政改革推進大綱改定の手順と方法についてであります。
子育てからまちづくりまでの地域の課題発見からその後の計画、執行、評価、見直し(PDCAサイクル)の全てに住民そして多くの主体の参加が必要になっています。区としては今年度、推進プログラムと行革大綱を見直し・改定を行うこととなっていますが、その見直しの過程にいかに住民の参加をもって行うことができるのかということであります。
両計画の概要版である「実行力ちよだ」の冒頭に区長は自治について述べられています。「自らの地域を自ら治めるということは『地方自治の本旨』を権利として主張するだけでなく、自らに常に努力する義務を果たすということです」と。私も同感であります。住民に、権利をお願い・要望ばかりととらえるのではなく、主権者として日常の中で自治を担う、また行うという権利を行使してこそ義務も果たせると考えるからです。そのためには自治を担う場としての住民に最も身近な自治体を「地方政府」として分権改革推進委員会が明確に位置づけたことは大変意義のあることだと思います。
両計画の3年を経過しようとするとき、推進プログラムでは6つの分野別課題と横断的な課題が2つであり、行革大綱は5つの基本課題からなっています。掲げた目標がどこまで達成できて何が課題として残ったのか。また新たな課題として計画に落とし込む必要があるものは何か。これらを公開し広く区民の参加をもって見直し・改定につなげていくという手順が必要と考えます。よくあるパターンですが、役所からあなたの地域にはこういう課題があったのでこうすることにしましたと、いきなり言われてもただ目が点になるだけで参加意欲も自治意識もなくしてしまいます。そのような最悪のパターンだけは避けねばなりません。
そこで、今回の見直しの手順と方法についてお伺いいたします。
次に自治の仕組みとしての景観まちづくり条例についてであります。
改めて述べるまでもないと思いますが、区は平成10年に景観マスタープランそして景観まちづくり条例を制定しました。住民、事業者、区が共通のキーワード(言葉)を用いながらの対話による事前協議制度、また全国的にも模範となる景観審議会などが特徴となっています。条例そのものに強制力はなく限界があるものの新たな建築ごとより良い景観形成のために3者による対話が行われてきたという実績があります。ようやく国の景観法が2年前の6月1日より施行され、条例に法的根拠ができました。この景観法は、全国レベルでの基準値やメニューを示すのでなく、各自治体が条例で示した基準に根拠を与えるという仕組みをとっているまさに画期的な法律であります。また景観計画、景観地区の制度は住民による「まちづくり」を高めていく仕組みともなっています。都市計画法に基づく地区計画制度と景観法に基づく(景観計画)・景観地区が揃い住民による「まちづくり」は大きく前進することとなりました。この2年間意欲も実績もある千代田区が未だ景観行政団体として認められていません。昨年の第4回定例会において荻原議員もこの景観について質問を行っています。答弁で「東京都は、区市町村が景観行政団体になるための協議を来年度以降に先延ばしをしています」とのことでした。東京都はこの4月1日より東京都景観条例を施行しました。その第15条には「区市町村の適用除外」として区市町村が景観行政団体となった場合の区市町村の景観計画を優先し都の規定は適用しない旨を定めたものであります。
また景観法では景観行政団体については第7条第1項に、また運用指針には「市町村が景観行政を担当する意欲を有する場合には都道府県は原則として同意すべきである」としています。
そこで今後、区としては景観行政団体となるべくどのような手続きを東京都との間で行っていくのかお伺いいたします。また、景観行政団体となった後の景観計画策定の方法についてもお伺いします。
以上、身近な自治の仕組み構築へ向けて4点質問させていただきました。
千代田区には他の自治体にはない自治に関する潜在的な力(ポテンシャル)を持っています。「自治」、「公共」を共に担うであろう多くの主体が集積していること、町会には江戸の自治、相互扶助・相互責任・儀礼という特徴は今も残っていることなどであります。千代田区型身近な自治の仕組みを構築すべく前向きな答弁を期待して質問を終わります。
ありがとうございました。
〈区長答弁〉
大串議員のご質問のうち、身近な自治の仕組み構築についてまずお答えいたします。
私は、地方分権の趣旨は、住民に身近な自治体が、地域の特性に合った独自の施策を、自らの責任のもとに決定し、推進することにあると考えております。これは、基本構想の中にも明解にうたっております。
これまでは、国の政策決定による全国一律のサービスでありましたが、これからは自治体による地域のニーズにきめ細かく対応するサービス、いわばレディメードのサービスから区民一人一人の生活に応じたオーダーメードのサービスへと転換していかなければいけないと思います。
本区は、先般の国の地方分権改革推進委員会の提案に先立ち、以前から地方主権の考え方に立ち、自己決定・自己責任のもとに次世代育成手当等、独自性のある施策を積極的に進めてまいりましたし、議会の皆さんもそうしたことを十分ご理解して、政策が実現されているだろうと思います。私は、自治体が自ら責任を持って地域にふさわしい施策を推進し、他の自治体と政策面で競い合うことが結果として市民福祉の増進につながるとともに、地方分権の確立に寄与し、国のありようを変えていくことにもなると信じております。改革の流れを後戻りさせることなく、地方が主役の地方主権の時代の実現に、今後も積極的に取り組んでまいりたいと思います。価値観・ライフスタイルの多様化の中で、もはや住民は行政サービスの受け手といった行政と住民との関係性だけでは、効果的な対応ができないと思います。まさに、行政における公助、地域・民間による自助に加えて、その中間の領域にある協助の概念も重要だろうと思います。このことは、アメリカのケネディ大統領が就任をしたときに、こういうことを言っています。「祖国があなたに何をしてくれるかを尋ねてはなりません。あなたが祖国のために何をできるかを考えてほしい」、これをそっくり「千代田」という言葉に置きかえてもいいだろうと思います。こうした流れは、大串議員からお話しがありました、前回の推進プログラム等の概要の「実行力ちよだ」の中にも、地方自治の本質ということで、単に権利の主張だけではなくて、自らの地域のことにいろんな形でご協力をしていくということも、やはり本質の自治という中身だろうというふうに思います。そういうことを申し上げてきたわけでございます。
私たちは、そうした流れの中で、この5年間、6年間、大串議員からも幾つかの例示が出ましたけれども、様々な協働という趣旨でいろいろと取り組んでまいりました。最初が、ご承知のとおり、「NPO・ボランティアと協働を進めるための基本指針」というものを平成14年3月に提携にいたしまして、この趣旨は、NPOと行政とが協働でいろんなことをやるわけですけれども、門前払いをするのではなくて、NPOと行政とが議論をし、そういう積み重ねそのものがまさに行政の体質を変えるという、そういう趣旨でこの基本方針はできておりまして、そういう中で様々な提案をいただき、例示のありましたジョブ・ローテーションですか、福祉の関係、障害者の。今、かなりそういう意味では著名なのが、神田雑学大学のソバリエというのが、これは全国的に、あるいはインターナショナルで普及をしております。これもまさにこの協働という中から生み出されたものであります。あるいは、千代田区には、ご承知のとおり、かなりの大学があります。大学との協働という意味で様々な取り組みをしております。皆様方もご承知のとおり、まちの様々な事業についてはかなり大学が一緒に協働していろんなことを取り組んでいるだろうと思います。空き店舗のことだってそうです。それから、招集あいさつで申し上げました、法政大学が取り組んでおりますCES、これは法政大学のある学部のゼミナールというものを通じて、千代田区の環境に関する行動計画を1年間を通じて学生が様々なフィールド調査等を通じてCES-Iというものをつくるということで、先般ご報告いただきました。あるいはご承知のとおり、まちづくりサポート、あるいはお年寄りに関する「困りごと24」、あるいは給食サービス、あるいはファミリーサポート、さらにはもう少し進んで、かなりアダプトが進んでまいりました公園、あるいは道路について。それから、先ほどの答弁の中にもありましたけど、喫煙に関します、単に取り締まりでなくて、区民の方々がご注意していただくという意味で喫煙マナーの啓発等、様々ないわゆる地域の皆さんとの協働という形でこの6年間取り組んできたつもりでございます。もちろん、その中核は、何と言いましても、私は町会活動だろうと認識しておりますし、大串議員もそういう認識だろうと思います。
その象徴が、私は生活環境条例だろうと思います。それぞれの自治体がつくっておりますが、本格的にできないのは、まさに住民の方々、あるいはここに地域を構成している商店街とか事業所の方々とともどもで一緒にやるということが起こっていないから、条例はつくっても本格的になかなか施行できないということでございます。おかげさまで、そういう意味では、千代田区というのはかなりそうしたことが区民の発意でできてきているというふうに私は思っております。
今後も、そうした意味では、地方自治を支える、そうした身近ないろんな組織、活動、そうしたことが活発になるよう、様々な取り組みをさせていただきたいと思います。
それから、景観について申し上げます。詳しいことは所管部長から申し上げると思いますけど、大串議員ご指摘のとおり、国土交通省にしては珍しい考え方を出しております。意欲のある地方自治体は、景観行政団体として原則的に認めるべきだという、そういうところまで踏み込んできております。しかし、残念なことに、都政はそういう観点に立っておりません。全国の都道府県で、区市町村の景観行政団体を指定していないのは、東京都以外ございません。これは私は知事の私見ということではなくて、東京都の 部隊があまりにもこうしたことについての認識がなさ過ぎるということだろうと思います。
一方では、23区もこの点については非常に悪い部分なんです。我々の方は積極的にやりたいんですが、23区の部長会で議論をやりますと、仕事が増えるから嫌だという、こういう議論を平然と言う、そう言われた区があると。こういう状況で、なかなか23区が一枚岩になれないということもありますが、私の方は、これについては断固景観行政団体を取るべく、これからも積極的にやりたいと思いますが、なかなか壁が厚い。したがって、自治を本質的にご理解いただける大串議員をはじめ皆さん方に強い強いバックアップをお願いしたいと思いますし、我々の方は違った仕組みも考えるざるを得ないという状況になるというふうに思っております。
いずれにしても、ぜひご支援のほどをお願い申し上げたいと思います。
その他は関係部長からご答弁申し上げます。
〈政策推進担当部長答弁〉
大串議員の身近な自治の仕組み構築に向けた今日までの成果と今後の課題につきましてのご質問にお答えいたします。
地方分権時代においては、住民に最も身近な区市町村が、地方政府として自己責任・自己決定により自治を行うことが必要です。また、決定に当たっては、行政からの一方通行でなく、区民との協働や対話、情報の共有化による区政の理念の共有などが、身近な自治、住民自治の実現の大前提であることは議員ご指摘のとおりでございます。
本区におきましては、今日まで身近な自治の仕組みに様々な形で取り組み、成果を出してまいりました。まず、町会におきましては、日頃から地域に根付いた活動をされ、区民と区政を結ぶ大切なパイプとなっております。NPO・ボランティア等につきましては、協働による政策提案が6年目を迎え、15件の事業化が行われております。また、区内11大学との連携については、平成16年度から事業提案制度「千代田学」を実施し、学生の自由で柔軟な発想による調査・研究から、区政にかかわる様々な提案をいただいております。さらに、情報の提供・共有につきましては、議員ご指摘の予算概要、主要施策の成果など、できるだけ区政を身近に感じていただけるような工夫をし、区政の中身をつまびらかにしております。また、情報を提供するだけでなく、誰でも直接区長と区政に関する意見や要望を気軽に話し合える場である「まちなか懇談会」、地域のオーダーに応じて施策の説明と意見交換を行う「出前講座」などを実施することにより、広く区民からのご意見等をいただいてまいりました。
一方、今後の課題といたしましては、ボランティア・NPO、区内企業や大学、地域団体等、幅広い主体との協働の推進、区民参画を促進するための効果的な情報提供のあり方、これまでの身近な自治への取り組みをルール化する自治基本条例などがあると考えております。今後、地方主権、共生の理念の実現のため、これらの課題に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
次に、推進プログラム及び行財政構造改革推進大綱の改定についてのご質問にお答えいたします。
推進プログラムは、第3次基本計画を具体化するための5カ年の事業計画であります。また、行財政構造改革推進大綱は、区政経営の基本的な方針であるとともに、第3次長期総合計画、推進プログラムの円滑な推進を支え、また「千代田区行財政改革に関する基本条例」に定める数値目標の達成に向けての推進計画という3つの側面をあわせ持つ行政計画でございます。これらの計画については、おおむね3年を目途に改定することにしており、本年度は計画の改定時期に当たります。特に、今回の改定は、第3次基本計画の最終期の計画となり、これまでの取り組みの総まとめの計画として改定することとしており、計画の達成状況をきちんと評価し、残された課題や新たな課題を明らかにした上で改定していくことが、極めて重要と考えております。こうした中で、議員ご指摘のように、取り組みの成果をはじめ適宜適切に情報を公開し、区民の皆さんのご意見をちょうだいしながら、計画の改定に取り組んでまいりたいと考えております。
〈まちづくり推進部長答弁〉
大串議員のご質問のうち、景観まちづくり条例についてお答えいたします。
まちの景観は、その本質から、個性的で多様性に富み、地域性の強いものであるため、一義的には基礎的自治体たる区がその主体となることは言うまでもありません。
殊に千代田区は、地区計画等により、居住環境や一定の町並み景観の整備・保全を図るとともに、景観法に先立って景観形成マスタープラン、景観まちづくり条例を制定し、景観まちづくりに取り組んできたところであります。まさに、景観法は、そのような基礎的自治体の取り組みを支援するため、法的強制力を備えたメニューを用意し、地域の特性に応じた利用を促しております。その意味で、分権時代の法のあり方として、一定の評価をしております。しかし、その仕組みを利用するためには、東京都の同意を得て景観行政団体としての位置付けを得なければならないことは、議員ご指摘のとおりであります。
東京都は、本年4月に景観計画及び条例を施行し、区との協議の前提が整ったことにより、5月には同意協議に関する事務処理方針が示されたところであります。
その際、同意の方針として、東京都の景観計画及び条例の内容を、区の計画及び条例においても継承することを強く求めております。都はあくまでも景観行政を主導的な姿勢で、区との協議を進めようとしております。
区案の策定につきましては、本年、景観まちづくり審議会を中心に、これまでの取り組み実績を踏まえ、本区の地域特性に沿った景観形成の手法を整理してまいります。その動きと同時並行に、東京都に対し、千代田区の特性に応じた景観計画を認めるよう、実質的な協議を行ってまいりたいと思います。
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